【いちはらアート×ミックス2020】房総の里山とアートが融合した、魅力いっぱいの芸術祭【チバノサトの人々】

菜の花畑をトコトコと走るトロッコ列車。

美しい田園風景が広がる市原市の、春の風物詩です。

この、春の里山を舞台に繰り広げられるのが、いちはらアート×ミックスです。

今年で3回目となる芸術祭、これまでよりもずっとパワーアップしているそう!

ディレクターおふたりの声を交えつつ、その魅力やみどころをまとめて紹介しちゃいます。

※新型コロナウイルスの影響で、開催延期が決定しています。開催時期は2021年を予定しています。

 

地域のもつさまざまな資源を現代アートと融合

最初にいちはらアート×ミックスが開催されたのが2014年。

3年に一度のトリエンナーレ形式で開催されており、今年で3回目を迎えます。

今回の特徴は、さまざまな “アート×〇〇”。

たとえばアート×地域資源では、小湊鉄道の駅舎や車両が最大限に活用されます。

アート×建物再生では、閉校した学校を活用したアートプロジェクトを実施。

アート×食では、市原ならではの食をテーマにしたプログラムが用意されます。

桜や菜の花が咲き誇る里山を舞台にしたアートイベントやプログラムの数々。

俄然、興味が湧いてきました!

「背景に文化が感じられる。市原のすごさを知ってほしい」

今年の総合ディレクターを務めるのは、第1回目以来2度目となる北川フラムさん。

新潟で行われた「大地の芸術祭」をはじめ、各地の芸術祭などでも活躍するアートディレクターです。

他の地域もよく知る北川さんに、市原の印象を尋ねてみました。

「自然豊かな土地であること、そこに歴史や文化がしっかりと息づいていること。人々が元気なことも印象的でした」

首都圏とは思えないほどのどかな田園風景に、すっかり魅了されたといいます。

「いちはらアート×ミックスは単なるイベントではなく、その背景に歴史や文化を感じられるのが大きな特徴です。地域の魅力を地域の人々と一緒に外に発信していく。いろんな視点でアーティストが関わっていくことで、非日常的なおもしろさを楽しめますよ」

房総の里山から世界を覗く。17ヵ国からアーティストが参加

「今回の大きなテーマのひとつが、世界に向かって発信すること」と話すのは、アートディレクターを務める豊福亮さん。

「北川さんの意思を形にしていくのが主な仕事。現場監督のようなものでしょうか」

第1回、第2回はアーティストとしての参加でしたが、今回は北川さんの指名で裏方に回ることになったといいます。

今回、準備を始めてから1年足らず。

参加アーティストとのやり取りも豊福さんの仕事です。

「17ヵ国からアーティストの参加があり、特にアジア圏の国々での知名度は上がっているようです」

前回、前々回との立場の違いに戸惑いつつも、やりがいを感じることが多かったといいます。

「瀬戸内国際芸術祭では、普段静かな島に芸術祭期間だけで延べ100万人以上もの人が訪れます。このいちはらアート×ミックスも、全国のすごい芸術祭に肩を並べられるような芸術祭に育てていきたいですね」と意欲を語ってくれました。

そんな豊福さんがおすすめする、楽しみ方のポイントは?

「まずは、テーマのひとつである小湊鉄道を軸に楽しんでみてはいかがでしょうか?全駅にアート作品があり、駅によって全く違った世界観を見ることができます。また、春は桜や菜の花が咲く美しい季節。きれいな風景を見に、気軽に遊びにきてください」

期間は3月20日から。作品鑑賞パスポートがおすすめ

いちはらアート×ミックス2020が開催されるのは、2020年3月20日から5月17日までの57日間。

アート作品の展示のほか、期間中にはさまざまなイベントやワークショップが開催されます。

期間中何度も訪れるなら、全ての作品を鑑賞できる作品鑑賞パスポートが便利。

もちろんそれぞれの会場内で購入できる個別鑑賞券もあります。

「まち全体でのイベントなので、”アートだ”と強く意識せず、ふらっと観光に訪れるだけでも楽しめるかと思います。気づいたらいろんなアートに触れているような、そんな感じでしょうか」と豊福さん。

広範囲での開催となるため移動手段が必要となりますが、前述の小湊鉄道以外にはオフィシャルツアー、芸術祭無料周遊バスなどがあります。

全会場の駐車場を無料で利用できるので、ドライブしながら会場をまわるのもおすすめですよ。

始まりが待ち遠しい! 詳細情報は公式サイトでチェック

3年ぶりの開催に向け、着々と準備が進む、いちはらアート×ミックス。

展示作品やイベントの詳細は、公式サイトで随時発表しています。

3月20日の開催に向けて、しっかりと気分を盛り上げておいてくださいね。

房総里山芸術祭

いちはらアート×ミックス2020

房総の里山から世界を覗く