養老渓谷で心洗われる…ネイチャー体験で感動する休日

養老渓谷

養老渓谷でハイキング。大自然のパワースポットを巡る!

海のイメージが強い千葉県ですが、房総半島のほぼ中央を流れる養老渓谷には数々の滝が点在し、パワースポットとしても有名です。

渓流沿いにはいくつかのハイキングコースがあり、特に紅葉や、新緑のシーズンには多くの行楽客で賑わいます。

今回は、渓流沿いを歩く本格的なトレッキングが楽しめる「大福山・梅ケ瀬コース」のうち、女ケ倉~梅ケ瀬渓谷の渓流沿いを歩く往復2~3時間の「沢ルート」と、全長約3キロメートル、約1時間で3つの滝を巡る「滝めぐりコース」を紹介します。

ハイキングで自然を満喫しながら、渓谷を満たすマイナスイオンでリフレッシュしましょう。

養老渓谷ってどんなところ?

「養老渓谷」と呼ばれる養老川一帯のエリアは、房総随一の温泉郷。新緑が美しい春~初夏、紅葉に染まる秋の景色は大変見応えがあり、県内外から多くの観光客が訪れます。

また温泉地としても知られており、渓谷沿いに湯けむりのあがる風情ある眺めも楽しむことができますよ。

養老渓谷の最寄駅は、小湊鉄道の「養老渓谷駅」。JR千葉駅からなら、1時間45分程度で到着します。

養老渓谷には、約4キロメートルの「滝めぐりコース」、約12キロメートルの「大福山・梅ヶ瀬コース」などいくつかのハイキングコースがあります。

「大福山・梅ヶ瀬コース」は、養老渓谷駅から歩くと約12キロメートルと長距離になりますが、コース周辺に点在する駐車場に車を停めれば、コースの一部だけを楽しむこともできるんです。

養老渓谷「大福山・梅ヶ瀬コース」コースをトレッキング

今回取材したのは、「大福山・梅ヶ瀬コース」の一部(「女ヶ倉」から渓流沿いを歩きながら「日高邸跡」を目指す「沢ルート」)と、「滝めぐりコース」。

まずは、驚きと発見に満ちた「沢ルート」から紹介します!

今回スタート地点に選んだのは、「沢ルート」に最も近い駐車場「梅ケ瀬渓谷入口大駐車場」。ここから歩いて森の中へ分け入って行きます。

遊歩道などはなく、木々の間についた跡を辿っていきます。

渓流沿いを歩いて、奥へ奥へと進んでいきます。
途中、飛び石を踏んで渓流を渡ったり、水気を含んだ土を歩くシーンも多いので、トレッキングシューズがおすすめです。

スニーカーでも行けないことはありませんが、靴の中まで水が入ったり、泥がついたりするのは避けられません。

駐車場でもらったマップを眺めながら、「こっちで合ってるのかな…」と悩みながら歩きます。

それにしてもこんな風景…普段の暮らしの中で、なかなか見る機会がありませんよね。

道中には案内板などもほとんどないため、マップ内に書かれているスポット名が道しるべに。

例えば、コース後半の目印スポットのひとつ「せせらぎの階段」に辿りついたときには、「ここだ!」「合ってた!!」と大喜び。

こんな風に、自分で考えながら“探検”するのが、この沢ルートの醍醐味なんですね。

「梅ケ瀬渓谷入口大駐車場」から「日高邸跡」を渓流沿いのルートは、約3時間程度で往復することができます。

生い茂る木々の間を抜け、澄んだ渓流沿いを歩く本格的なトレッキングが楽しめるコースです。また例年11月下旬~12月上旬にかけては、見事な紅葉が楽しめ、特に賑わうシーズンです。

トレッキングシューズやお弁当、水筒、レジャーシートなど、万全に準備をしておでかけください!

養老渓谷「滝めぐりコース」は初心者にもおすすめ

続いて、遊歩道が整備され、初心者でも気軽にハイキングが楽しめる「滝めぐりコース」を紹介します。

コースのスタート地点「原ノ台」までは、養老渓谷駅からバスで10分ほど。体力に自信がある方は、歩いても行ける距離です。

原ノ台に到着したら、早速ハイキングスタート。

最初の「小沢又の滝」までは徒歩で約10分。途中には農産物の無人販売所があり、様々な野菜が販売されていました。

自然を楽しみながら歩いていると、あっという間に「小沢又の滝」に到着。

お茶屋さんで入場料(200円、9〜17時頃)を支払って、階段を下って行きます。かなり急なので、滑らないようにしっかり手すりにつかまってくださいね。

間近で見る小沢又の滝は、迫力満点。勢いよく流れる滝と、響き渡る清涼な音を楽しむことができます。

ちなみに小沢又の滝は、お茶屋さんの家族が発見した滝で「幻の滝」ともよばれています。

小沢又の滝の滝壺前には木製の橋があり、そこから滝の正面を見ることができます。取材時(10月下旬)は水量が少なめでしたが、それでも轟音と水しぶきが気持ちいい!

小沢又の滝から10分ほど歩くと、養老渓谷の本流に到着します。コンクリートの飛び石を渡って対岸の遊歩道へ。

ここからは、石畳の遊歩道をハイキング。渓谷のせせらぎを耳にしながらのんびり歩きましょう。例年11月下旬~12月上旬にかけ、この辺りは紅葉に染まります。

遊歩道にはベンチが設置されており、お弁当を食べたり、ひと休みをするのに便利です。

足下を見ながら歩いていたら、遊歩道沿いのせせらぎでサワガニを発見! 渓谷にはアユも遡上してくるそうですが、こうしたさまざまな生き物に出会えることも、ハイキングの魅力です。

さらに足を進めると、遊歩道の中間地点に到着。2つ目の滝「万代の滝」です。

落差は約10メートルで、水量によって姿を変えますが、左は滝壺へ、右は岩肌を滑るように落ちていきます。滝は遊歩道からも見えますが、目の前まで行くこともできます。

「滝めぐりコース」最後の滝は、千葉県最大級といわれる粟又の滝(養老の滝)。

2つ目の滝「万代の滝」からは、大体15分ほどで到着します。

「迷っちゃいそう…」という心配は無用。コースにはところどころに案内板が設置されていて、辿っていけば迷うことなく滝巡りが楽しめますよ。

横幅が広く、水が末広がりに流れていく姿に時間を忘れて見とれてしまいます。滝の横には階段もあり、さらに上流へ行くこともできますよ。

「秘湯の宿 滝見苑」で疲れを癒す

さて、「滝めぐりコース」の3つの滝を巡ったあとにも、お楽しみがまだまだあります。
遊歩道から川を渡って階段を登ると、「秘湯の宿 滝見苑」があります。日帰りでも利用できる温泉があるので、たくさん歩いた疲れをここで癒しましょう。日帰り温泉の利用時間は11時〜14時30分(受付は14時まで)です。

粟又の滝から「秘湯の宿 滝見苑」までは4〜5分ほどで到着しますよ。

紅葉の季節は、露天風呂から最高の眺めを楽しむことができます。こちらは女性用の「願いの湯」。赤や黄色に色づいた木々と、あたたかい温泉は癒し効果抜群です。

館内には食事処「山恵」(11時30分〜15時。土・日曜、祝日のみ営業)もあります。

人気メニューは「いのししうどん」(1300円)。新鮮で臭みのないイノシシの肉が、やわらかくておいしい!

「秘湯の宿 滝見苑」を満喫したら、目の前にあるバス停「粟又の滝」から養老渓谷駅へ戻りましょう。

バス便は数が少ないので、事前に時刻表を調べておくことをおすすめします。

まとめ

本格的なトレッキングから、爽やかなハイキング、露天風呂などを楽しめる「養老渓谷」は、体中の細胞が元気になるような、清々しい休日を過ごすことができる場所。

季節ごとに異なる表情を見せる養老渓谷では、いつ行っても違った風景に出会えます。初めて訪れる方は、ツツジやフジが美しい春か、鮮やかな紅葉が見られる秋がおすすめですよ。

日帰りでも充分楽しめますが、温泉宿で1泊もいいですよね。

千葉県でも指折りのパワースポットに、ぜひ出かけてみてください。